【この記事は私が編集している広報誌からの転載です】

 地球温暖化の影響は色々なことに対してなんとなく感じているものの、その影響がどの程度か数字で表すのはとても難しいものです。そんな中、米国の大学と国の機関が、漁業に対する地球温暖化の影響について統計的に調べた研究結果を発表しました。その結果が日本にとってショックな内容だったので紹介します。

 1930年から2010年までの80年間における、世界の海の魚、貝など約百種の生息数を調べます。そして海水温の変化との関係から、持続可能な漁獲量に対する温暖化の影響を調べます。持続可能な漁獲量というのは、それ以上とり続けたら魚が減り続けて将来とれなくなるという量です。結果は、世界中の平均で、この80年で持続可能な漁獲量は4%減ったというものでした。ですが、地域によっては、温暖化の影響で持続可能な漁獲量が増えたところもあります。世界の平均を取ると減っていたということです。

 さて、増減には地域差があるといいましたが、最も減っていた海域はどこだったでしょうか?なんと一番は日本海で、35%も減っていました。さらに黒潮海域で17%減、東シナ海で8%減と、日本周辺の海域が軒並み減少率の上位を占めています。温暖化で魚の数が減っているにもかかわらず、日本海などは魚を乱獲してきた歴史があり、明らかに危機的な状況にあると思います。周辺国とも協力して、漁獲量を制限しないと、美味しい魚が食べられなくなってしまうのではないでしょうか。もちろん温暖化を止める努力も必要です。

参考:サイエンス誌、363巻979ページ(2019年3月1日)