【この記事は私が編集している広報誌からの転載です】

軌道上の宇宙ゴミの位置を表示したコンピュータグラフィックス ⒸNASA

この欄でもゴミ問題を何度か取り上げましたが、今回は宇宙のゴミ問題についての話です。私たちは、自動車のナビゲーション機能、インターネット上の地図アプリなど、人工衛星の恩恵を受けています。今私たちの生活は、人工衛星なくしては成り立たなくなってきています。さて、この人工衛星の寿命はどのくらいでしょうか。実は10年くらいです。そして運用終了後も、軌道上を数十年間回り続けます。つまり宇宙のゴミ(スペースデブリ)となるのです。そのゴミの数は分かっているだけで約2万個もあるそうです。

この宇宙のゴミ、なにが問題なのでしょうか。それは運用中の衛星に衝突する可能性があることです。今年の7月にも、地表の氷を観測する欧州の衛星が、宇宙ゴミに衝突しそうになりました。燃料を噴射して軌道を変え事なきを得ましたが、無駄に燃料を使ったことで衛星の寿命を縮めてしまったでしょう。近年、人工衛星の打ち上げ数は、急速に増えています。このままだと衝突の可能性はますます増えるでしょう。

では対策はあるのでしょうか。国際的なガイドラインでは、運用終了後25年以内に衛星を意図的に大気圏に落下させて燃やすことが推奨されています。ところがこれを守っているミッションは現在たったの半分とのことです。昨今宇宙ビジネスが注目されていますが、今後は持続可能な宇宙開発が必要となるでしょう。

参考:Nature, 2018年9月号