【この記事は私が編集している広報誌からの転載です】

テラ写真

皆さんは、全国各地で年間約10ヶ所の海水浴場が閉鎖されているという事実をご存じですか。若者が海水浴に行かなくなったということも背景にあるのですが、もう一つ、全国で砂浜がなくなっていることも大きな要因になっています。

日本の海岸線の総延長は約3万5千キロメートル。これは世界第6位の長さです。そして、その約2割が細かい砂で覆われた砂浜です。今、この砂浜が、1年に東京ドーム約34個分(160ヘクタール)のペースで減っています。さて、どうしてだか分かりますか。それは、砂浜の成り立ちと関係します。砂浜の砂は、山や川から流れてきた土砂が長い年月をかけて積もったものです。ところが、日本の高度成長期を支えるためのダムの建設、コンクリートの材料となる砂利の採取によって、海に流れ出す砂の量が減ってしまったのです。さらに近年の気候変動による高潮や大型の台風も、砂浜の浸食に追い打ちをかけています。

そして、今後さらに砂浜が消える可能性が指摘されています。それは、温暖化による海面上昇です。将来予測される最低限の26センチメートルの海面上昇でも46%の、最悪の82センチメートルでは91%の砂浜が消えることが、研究者によって計算されました。このままほっておくと、日本の砂浜のほとんどがなくなり、海水浴場がなくなるだけでなく、ウミガメの産卵場所もなくなってしまうでしょう。

参考:
表浜ネットワークのHP http://www.omotehama.net/
国土交通省中部地方整備局河川部のHP http://www.cbr.mlit.go.jp/kawatomizu/2-f/sinsyoku.htm
有働ら、土木学会論文集 (2014) https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscejer/70/5/70_I_101/_pdf