【この記事は私が編集している広報誌からの転載です】

今年9月、スイスのジュネーブで150の国々が参加し、水俣条約の締結国会議が開催されました。水俣条約は今年8月に発効され、大気中への水銀の排出・使用量削減、水銀を含む廃棄物の適切な処理・保管などを定めています。その条約について話し合う初めての会議となりました。どうして条約の名前に日本語が使われているかご存じですか。1950年代に熊本県水俣市で発生した病気(水俣病)が、工場排水に混じっていたメチル水銀が原因だったのです。今は綺麗な海が広がる水俣ですが、世界中で水俣病のような被害を二度と起こさないという決意が、条約の名前に込められています。 

さて、この条約ですが、私たちの生活とも無縁ではありません。まだ多くの照明に使われている蛍光管には、1本あたり平均6ミリグラムの水銀が封入されています。これは小さな量ですが、年間に国内製造されている蛍光管に含まれる水銀の量は合計3トンにもなります。ですから私たちにまずできることは、使い終わった蛍光管を割らないことです。割ってしまうと、中の水銀が外に漏れ出してしまいます。蛍光管の処理方法は、自治体によって異なります。調べて適切に処理してください。 

現在国内で市販されている家庭用の蛍光管は、水銀の量が少ないので、水俣条約や関連する国内法では、製造禁止や輸出入禁止の規制を受けません。ですから、これからも使い続けることは可能です。しかし、この条約発効を期に、水銀を使わないLED電球への置き換えを考えてみてはいかがでしょうか。 

参考:環境省「家庭から排出される水銀使用廃製品の分別回収ガイドライン」 https://www.env.go.jp/recycle/waste/mercury-disposal/h2712_guide1.pdf