【この記事は私が編集している広報誌からの転載です】

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2010年10月に名古屋で開催されたCOP10(生物多様性条約第10回締結国会議)のことを覚えていますでしょうか?「生物多様性条約」に加盟する約190ヶ国が集まり、遺伝資源利用に関する「名古屋議定書」のほかに、生物多様性の損失を食い止めるために2020年までに達成する目標を定めた「愛知目標」が採択されました。例えば、人々が生物多様性の価値を認識する(目標1)、陸地の17%、海全体の10%を保護区にする(目標11)など、20の目標が定められました。(詳しくはプラズマくんだより2011年1月号を参照ください)核融合科学研究所も、同時開催された生物多様性交流フェアに展示ブースを出展し、「生物多様性を守るため、これからのエネルギー源はどうあるべきか?」について参加者と活発な議論を交わしました。

さて、採択された「愛知目標」は、その後どうなったのでしょうか。目標期限の2020年まで半分以上が経過した上に、どういう取り組みがなされているか報道されていないように思います。ここではその後の経過についてお話しします。締結国会議(COP)はその後も2年おきに開催され、つい先日12月4日〜17日にメキシコのカンクンという都市で13回目となるCOP13が開催されました。2年前のCOP12では、20の目標の内、たった三つしか達成できそうにないことが分かり、各国の取り組みが不十分なことが分かりました。さて、今回のCOP13ではどのようなことが話し合われたのでしょうか。環境省に発表によると、愛知目標の中でも「とりわけ農林水産業および観光業における生物多様性の保全および持続可能な利用の取り組み」が主題になったそうです。農業では農薬の乱用、林業では自然林の大規模伐採、漁業では魚の乱獲などで、生物多様性が失われています。ですから生物多様性に配慮しながら持続可能な事業を行おうと話し合われました。これら第一次産業は、明らかに生物多様性に依存しているので、各国でも取り組みやすいということで、今回特に焦点が当てられたわけです。

地球温暖化について話し合う気候変動枠組条約にも締結国会議(COP)があり、こちらの方がよく報道されます。一方の生物多様性条約のCOPはどちらかというと目立たない存在になっています。地球温暖化同様、生物多様性の低下も、私たち人間がもたらした地球上最大の危機です。どちらにも関心を持っていたいですね。特に世界共通の言葉になっている「愛知目標」は身近な地名が付いているだけに、目標達成できるよう私たちも協力しませんか。

参考:環境省の11月24日付報道資料 http://www.env.go.jp/press/103212.html 環境省の12月19日付報道資料 http://www.env.go.jp/press/103305.html