前回の超伝導送電ケーブルの話をさらに発展させると、夢のようなことが可能になります。
 電力消費は日中と夜間で倍ほど異なります。そして電気は蓄積することができないので、ある時点で消費される電力は、その時点で発電する必要があります。発電しすぎてもいけません。ところが、原子力発電は、発電量を調節することができません。したがって現在は、火力発電の発電量を調整することで、消費電力の変動に対応しています。そして発電量を調節できない原子力発電は、一日の消費電力の最低量(深夜の消費電力量)を24時間一定で発電しています。
 そこで考えられているのが、「超伝導グローバル電力ネットワーク」です。世界中を超伝導送電ケーブルでつないでしまい、世界中で電気を分け合って使うという構想です。電気が余っているところから、足りないところに送電します。超伝導を使うと送電ロスが減るので、遠くに電気を送ることができます。世界中で発電量と消費量を平均して使うので、発電量が不安定な自然エネルギーも使いやすくなります。例えば他国の砂漠の上で太陽光発電した電気を日本で使うという具合です。
 自然エネルギーのような不安定なエネルギー源で大規模発電を行うためには、電気を貯蔵する技術や、電気を遠方に送電する技術が必要となるでしょう。電気は作ったら、すっかり使い切る必要があるからです。