核融合反応が発見されたのは、1932年、英国のコッククロフトとウォルトンの二人によってです。陽子(水素の原子核)という粒子を加速して金属のリチウムに当てて、ヘリウムを作る原子核反応を初めて人工的に起こしました。この功績により二人はノーベル賞を受賞しています。それから75年、核融合反応を制御してエネルギーを取り出せる直前まで来ています。直前といってもエネルギーが取り出せるまで後30年ぐらい必要ですが。
 核融合発電は、難しくてできないのではという議論を聞きます。いつまでたっても実現しないねという印象を持たれています。でも、まだ発見されてから100年も経っていない新しい科学技術です。化石エネルギー(ウランを含む)の枯渇が深刻になるまで、後50~100年。その時に自然エネルギーの他に核融合発電という選択肢が残されていたほうが絶対に安心です。今後のエネルギー需要とも関係しますが、自然エネルギーが需要を100%まかなえるかどうかは不安があるからです。これが核融合の研究を長期的に続ける大きな動機となっています。