ハインリッヒの法則というものがあります。1件の死亡に至るような重大な労働災害が起こる裏には、29件のかすり傷程度の軽度の災害がある。そしてその裏には「ヒヤリ」としたり「ハッと」するような体験が300件も存在するという法則です。この法則は、そのような体験(「ヒヤリハット」体験と呼ばれています)を自覚することで重大災害を未然に防ぐことができるということを教えてくれます。
畑村洋太郎著「失敗学のすすめ」では、失敗にも同じ法則が成り立つことが指摘されています。新聞で取り上げられるような大きな失敗がひとつあれば、その裏には軽度のクレーム程度の失敗が29件は存在し、さらにその裏には「まずい」と認識した程度の潜在的失敗が300件はあるということです。
一昨日、不幸な事故が発生しましたが、ハインリッヒの法則が認識されていれば防げたのではないかと残念です。「まずい」と思った体験があっても、それを放置してしまえば、または隠ぺいしてしまえば、重大な失敗に繋がってしまいます。(参考文献:畑山洋太郎著「失敗学のすすめ」講談社文庫)
発電所のような事故時の環境影響の大きい施設では、特にこの法則を真摯に受け止め、重大な失敗を未然に防がなければなりません。