研究所を見学していただいて必ず受ける質問があります。「何年後に核融合発電ができるのですか」という質問です。現在、この質問には「約30年後に発電所の1号機ができます。そして50年後には皆様のところに電力が送れるような発電所ができます」とお答えしています。
 この計画を最初に言い始めたのはヨーロッパの研究者たちです。2000年頃、核融合研究にも開発戦略が必要であるという気運のなか、30年後に最初の発電所(DEMO)を完成させ、50年後により経済的な発電所(PROTO)を建設するというロードマップを発表しました。その後、日本でも同様のロードマップが示されています。
 今世紀中ごろには、エネルギー枯渇問題が表面化すると予想されます。その時までにいくつかの基幹エネルギー源の候補を用意していなければなりません。核融合発電がその一つの候補であるためには、30年後に実現性を見極めている必要があるわけです。